こんにちは。
2025年の本屋大賞にノミネートされた、『アルプス席の母』。
著者は早見和真さんです。
この作品は2025年度の中学入試で、
- ラ・サール中学校
- 海陽中等教育学校
- 愛光中学校
- 本郷中学校
- 城北中学校
- 立教池袋中学校
- 山脇学園中学校
など、多くの学校で出題されたという情報が。
「なぜこんなに多くの学校がこの作品を選んだのだろう?」
そう思いながら実際に読んでみると、保護者の立場からも「これは出題したくなるかもしれない」と感じる部分がいくつもありました。
もちろん素人の保護者目線ではありますが、読後の感想も含めてまとめてみたいと思います。
心情の変化がとても丁寧に描かれている
中学入試の国語では、
「登場人物がなぜそのような気持ちになったのか」
を読み取る問題がよく出題されます。
『アルプス席の母』では、主人公である母・菜々子の心情が非常に丁寧に描かれています。
息子を応援したい気持ち。
少しずつ親元を離れていく寂しさ。
成長を喜ぶ気持ち。
親として見守る葛藤。
さらに、単純に喜びたいのかどうか本人にも分からないという複雑な気持ちも。
単純な「うれしい」「悲しい」ではなく、さまざまな感情が重なり合っているので、
「なぜその気持ちになったのか」
を考えさせる問題が作りやすい作品なのかなと感じました。
② 成長=受験生自身にも重なるテーマ
物語の舞台は高校野球ですが、実際には野球の話というより「子どもの成長の物語」がテーマになっているように感じました。
夢に向かって努力すること。
親が子どもを見守ること。
仲間との関わり。
自立していく過程。
これらは受験生にも共通するテーマな気が。
受験勉強の真っ最中にいる子どもたちにとっても、
どこか自分と重ねながら読める作品なのではないでしょうか。
③ 母親視点という珍しさ
私が特に印象的だったのはここです。
中学入試の物語文は、子どもが主人公の作品が多い印象があります。
ところが『アルプス席の母』の主人公は母親。
受験生は当然ながら母親の立場ではありません。
だからこそ、
「自分とは違う立場の人が何を考えているのか」
を想像しながら読む必要があります。
最近の入試では、単純に登場人物へ共感するだけでなく、
複数の視点から物事を考える力や想像力を問う問題も増えているように感じます。
そうした意味でも、入試との相性が良い作品だったのかもしれません。
読みながら何度も自分と重なった
ここからは純粋な読書感想です。
実は読んでいる途中、何度も自分自身を重ねてしまいました。
子どものためと思ってしていることが、本当に子どものためなのか。
どこまで手を出して、どこから見守るべきなのか。
これは野球をしている家庭だけではなく、中学受験をしている家庭にだって、
何かに取り組んでいる子供を持つ家庭なら共通するテーマだと思います。
だからこそ、保護者として考えさせられる場面がたくさんありました。
息子の感想は意外なところに
今回、この本は中学生になった息子も読んでいました。
感想を聞いてみると、
「まず、父母会が大変すぎる」とのこと(笑)。
確かに作中では、保護者同士の関わりや人間関係も描かれています。
どの場面が実際の入試問題として出題されたのかは分かりませんが、
もしそのあたりが題材になったとしたら、
小学生にはなかなか理解が難しそうだなーと思ってしまいました。
ただ、そうした保護者同士のやり取りも含めて、とても現実味がありました。
保護者こそ刺さる一冊かもしれない
読み終わって感じたのは、
この作品は受験生向けというよりも、むしろ保護者の方が強く共感する作品かもしれないということです。
子どものために必死になる親たち。
応援したい気持ち。
見守ることの難しさ。
読んでいて何度も胸が熱くなり、思わず涙が出る場面もありました。
息子の受験が終わった今だからこそ、より深く心に響いたのかもしれません。
中学入試で出題されたという理由だけでなく、保護者としてもぜひ読んでみてほしい一冊です。
おまけ
早見和真さんの本は他にも読んだことがあったり、
気になっている作品が多くあります。
ドラマ化された
『ザ・ロイヤルファミリー』
『笑うマトリョーシカ』
も早見さんの作品だったのですね。
こちらは、だいぶ雰囲気が変わりますが面白かったです

コメント