前回の記事では、計算スピードと正確性を上げるための「暗算力」や「ノートの工夫」といった内容で紹介しました。
今回はその後編として、中学受験に役立つ“数字の知識”についてまとめます。
これらは受験生の皆さんにとっては「基本中の基本」と思われるかもしれませんが、早い段階で暗記しておくことで、後々の計算効率が格段に上がります。
■ 掛け算:11〜19、24、36の段まで
九九はもちろんですが、11(11×1、・・・、11×9)〜19の掛け算や、24の段、36の段など、頻出の数字の段は覚えておくと便利です。
例えば:
- 13×7=91
- 17×6=102
- 24×3=72
- 36×2=72
など、よく出る組み合わせは暗記しておくと処理が速くなります。
■ 平方数を覚えておく(1×1〜19×19)
1〜19までの平方数は、面積問題や速さ、図形の単元でも登場する基本です。
- 1×1=1
- 2×2=4
・
・
・ - 17×17=289
- 18×18=324
- 19×19=361
プラスでこの二つも覚えておきたいです。
- 24×24=576
- 25×25=625
これらを暗記しておくと、試験中にわざわざ計算せずに答えが出せる場面が多くなります。
■ 三角数(1+2+3+…の形)
「1から○までの合計」=三角数と呼ばれる形は、場合の数や規則性の問題などで出てきます。
- 1=1
- 1+2=3
- 1+2+3=6
・
・ - 1+2+3+…+10=55
・
・ - 1+2+3+…+13=91
- 1+2+3+…+14=105
- 1+2+3+…+15=120
- 1+2+3+…+20=210
三角数の和は、
「n(n+1)÷2」で求められる
という公式もセットで覚えましょう。
■ 小数⇔分数 の変換に慣れておく
暗記すべき小数と分数の対応は、割合・速さ・図形などで頻出です。
小数 | 分数 |
---|---|
0.2 | 1/5 |
0.4 | 2/5 |
0.6 | 3/5 |
0.8 | 4/5 |
0.25 | 1/4 |
0.5 | 1/2 |
0.75 | 3/4 |
0.125 | 1/8 |
0.375 | 3/8 |
0.625 | 5/8 |
0.875 | 7/8 |
特に0.125きざみ、0.2きざみのパターンは押さえておくと安心です。
■ 円周率×整数(3.14の段)
円の面積や長さを扱う図形問題では、3.14の掛け算が頻繁に出てきます。
- 3.14×1=3.14
- 3.14×2=6.28
- 3.14×3=9.42
- 3.14×4=12.56
…と、3.14×9 までを覚えておきましょう。
そうすると、3.14×複数桁の計算は、筆算で足し算だけをすればよくなるので格段に速くなります。
覚えておけば「思考」に集中できる
これらの数は、「考える」問題に集中するための土台です。
覚えていなければ、時間のロスやミスのもとに。
また、解答途中で「256」という数字に出会うと16の平方数だから何か導き出せるかも?とアタリをつけて解いていくことができます。
小6の難問を解いていると、「アタリをつける」ということがとても大事になってきます。
そのためにも基本の数字は大事です。
苦手な数字から少しずつ、繰り返し触れて、自然と口から出るくらいにしておくのが理想です。
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