【読書】『母たちの中学受験』(おおたとしまさ)|受験期の母親が感じた共感と震え

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【読書】受験生の親が読む本

こんにちは。
気づけばもう10月。
秋の気配とともに、受験もいよいよ佳境に入りましたね。

そんなタイミングで、教育ジャーナリスト・おおたとしまささんの著書『母たちの中学受験 ― 第一志望合格は3割。納得できる結末に必要なこと』を読んでみました。

2024年度に中学受験を終えた6人の母親たちの体験をもとにしたノンフィクションルポ。
「第一志望合格は3割」という現実を見つめながら、親がどのように受験と向き合ってきたのかが描かれています。

読むきっかけ

夏頃から、私自身も1月〜2月の受験本番の日々を想像するようになってきました。
わが家の場合、受験のきっかけは「この学校に行ってほしい」という親の希望ではなく、あくまで本人の意志。
だからこそ、結果よりも「自分で決めて、自分で頑張る」ことを大切にしてきました。
もちろんその中で「ここが息子に合うかな?」という学校はありますが
最終的にはどこに受かっても落ちてもいい、ただ全力を出し切ってくれたら——そう思うだけで涙が出ることも。

ちょうどそんな時、友人に「これはぜひ読んでみて!」と勧められたのがこの本。

共感と発見

読んでいるうちに、「うちは大丈夫かな」「もし失敗したら…」という不安が大きく自分の中で揺れ動いているのを感じました。

6人の母親それぞれのエピソードは、どれもリアルで生々しい内容。
それぞれ違う悩みや後悔、葛藤、そして子どもへの思いと向き合う姿が生々しく描かれていて、「他人事ではない」と思わされることが多かったです。
たとえば、志望校を変える判断、塾通いとの付き合い方、子どもとのコミュニケーションの溝など、私自身もこれから直面するかもしれない局面がそのまま登場してきます。

特に印象に残ったのは、「結果がすべてではない」と言いつつも、受験後に残る親の“たられば”や後悔をどう受け止めるかを丁寧に扱っている点。
おおたとしまさ氏との対話の中で、母親たちがそれぞれ自分なりの“納得できる結末”を探す姿が描かれていました。

どの母親もスタンスや考え方がまったく異なり、私とも全然違うなと感じる方ばかり。
成功体験や「こうすればうまくいく」ノウハウがそのまま載っているわけではありません。なので、「何をすればよいか」の即効の答えを求めて読むと物足りないかもしれません。
でも、だからこそ「自分は親としてどう考え、どう支えるか」を自分の中で整理するきっかけになります。

受験期に読むと要注意?

正直に言うと、受験が近づいてきた今読むと震えます。
でも、その“震え”こそが、この本の価値なのかもしれません。
当日のトラブルや、想定外の出来事を想像しながら「親としてどう動くか」を考えさせられます。
読みながら、「完璧じゃなくてもいい」「どんな結果でも、納得して迎えられるようにしたい」と、少しずつ心が落ち着いていくような感覚がありました。

読後の余韻

各章のエピローグでは、受験を終えた子ども本人の言葉も紹介されています。
第一志望に合格した子もそうでない子も、それぞれに満足した学校生活を送っている様子が描かれています。「結局、大切なのは結果ではなく、その後の歩みなんだな」と感じました。

この本は、親の心を激しく揺さぶられますが、読んでよかったと思っています。
受験本番を前に、心の整理をしたい保護者の方にぜひ読んでほしいと思います。

私自身も、受験直前に再読しようかと考えています。
実際に近づくと怖くて開けないかもしれませんが、その時はその感情に任せます。


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